TRAP!
「意外だね、酒強いんだ?」
「ええ、まあ……。」
アルコールが入っているせいか…、上手く、平常心が…保てない。
「……。それとも、緊張するとついどんどん飲んじゃったりする?…で、あとで周りに介抱されて…気づいたら家にいる、とか……。」
心臓が……
ドキリと跳びはねる。
この男は……
どうしてこう、鋭い所をついてくるのだろう。
勘の鋭い所は…
全く変わってなどいない。
「ワタリくん……、でしたっけ。初対面の人に失礼じゃないですか?どうぞ…、お構いなく。」
昔と同じ。
下手な対抗心で……
自分を取り繕う。
「………。生バナナの酒あるよ。」
「…………!」
私の好物まで…覚えているのか。
「………。ワタリくんこそ、ビール減ってないじゃないですか。何かかわりを頼みましょうか?」
「……別に、いい。」
「そうですか。」
「「……………。」」