TRAP!
「……どうせ…、誰もいない。」
「ワタリ……?」
「俺は……、どういう形でも、アンタにまた会えて…嬉しいよ。」
「…………!」
抵抗は…敵わず。
あの頃と…変わってなどいなかった。
強引なクセして…、
触れる時は驚くくらいに優しくて…。
じわり、じわりと頭の中を痺れさせてゆく。
~♪♪………
♪♪♪♪~♪♪~………
どこからか、携帯電話が、着信を…知らせていた。
奏でるそのメロディーは…、よりにもよって、私の彼氏からの……電話だ。
理性が……揺らぐ。
これは…仕事です。
決して私情など…
挟んではおりません。
手に汗を握って。
メロディーが聞こえなくなるその瞬間まで……。
奴のキスに、応えている自分がいた。