あたしを満たして…


「こんな可愛げない女、放っといてよ」

「気の強い女は嫌いじゃないよ」


騒がしい飲み会の場。誰にもあたし達の会話は聞こえてない。
だからって、今日の笹宮からは、引く気配を感じない。


このままここにいたら、流されてしまうかもしれない。


ガタッと勢いよく立ち上がると、一瞬クラッとして、すかさず支えてくれる暖かい腕に、どこか安心を覚える。


「コイツ送ってくるよ」


珍しく酔っ払ったあたしを送るという笹宮を、誰も疑わない。



支えられて店から出ると、そのまま抱きしめられた。

暖かい身体に包まれて気持ち良くて、そのまま身を委ねたくなってしまう。

< 3 / 4 >

この作品をシェア

pagetop