あたしを満たして…
「こんな可愛げない女、放っといてよ」
「気の強い女は嫌いじゃないよ」
騒がしい飲み会の場。誰にもあたし達の会話は聞こえてない。
だからって、今日の笹宮からは、引く気配を感じない。
このままここにいたら、流されてしまうかもしれない。
ガタッと勢いよく立ち上がると、一瞬クラッとして、すかさず支えてくれる暖かい腕に、どこか安心を覚える。
「コイツ送ってくるよ」
珍しく酔っ払ったあたしを送るという笹宮を、誰も疑わない。
支えられて店から出ると、そのまま抱きしめられた。
暖かい身体に包まれて気持ち良くて、そのまま身を委ねたくなってしまう。