海賊王子ヒースコート(1)
「キャンディスが泣きついてくる原因はそれです」と指摘される。
優秀な部下の貴重な意見を聞く気がないのか、ダリウスはそっぽを向いた。
「俺様とキャンディスのことを、お前にとやかく言われる筋合いはねえ…。それよりなんだ?用があって来たんじゃねーのか?」
「ああ、はい。そうでしたね。航路についてですが…どうします?このまま真っ直ぐ南東を目指しますか?それとも変更しますか?」
ランバートは持っていた世界地図を机に広げた。
「もう少し進路を南に寄せればネンデル島に着きます。補給などは大丈夫ですか?」
「補給はカーペルキングでしたばっかりだ。このままネンデル島通り過ぎて、さっさとオグランドまで逃げるぞ」