海賊王子ヒースコート(1)
「オハヨー!ヒースコート!」
「ん、おはよう。レイバン」
「朝メシできたぜ」と言いながらやって来る彼に、ヒースコートは気になっていたことを尋ねた。
「昨日のあいつらはどうなった?」
「鞭打ち一人百回の刑。置き去りは無しだって」
「そうか…」
ヒースコートの少し沈んだ声に、不安を読み取ったレイバン。
苦笑しながら慰める。
「そんな心配そうにすんなよ。下っ端みんな集めて公開鞭打ちだったからさ。あの子に手ぇ出そうなんて考えるバカはもういねーよ」
「…そうか」
ちょっと声が浮上した。
「だが警戒は緩めない」
彼らしい結論に、レイバンはニヤッと笑う。
「ヒースコート、あの子のこと相当好きな」