海賊王子ヒースコート(1)
「おっかないよね、あの二人。こっちおいで」
アイリーンが下がった先にはエリオットとレイバンがいた。
「エリオットさん、海賊王子とはヒースコートさんのことですよね?」
「そうだよ。ヒースコートのあだ名」
「女からキャーキャー言われそうな王子顔してっから王子。んで、海賊船にいるから海賊王子ってわけだ」
レイバンが詳しい由来を教えてくれた。
そのまんまだが。
「ちなみにオレの異名は“若獅子のレイバン”だ。カッコイイだろ?」
「若獅子…。とっても強そうです」
「だろ!」
「僕のは“セルーデンの妖精さん”かな」
「妖精…さん?」
エリオットのあだ名の意味がわからずアイリーンは目を点にした。