海賊王子ヒースコート(1)
「セルーデンは知ってる?セルディスタ本土の北にある島なんだけど」
「あ、はい!わかります」
セルディスタ王国本土のすぐ北には本土の次に大きな島、セルーデン島がある。
「温泉で有名な島ですね」
「そうそう。僕はその島出身なんだ。だから“セルーデンの妖精さん”なんだよ」
本人は説明終了といった様子でニコニコしているが、アイリーンは「妖精」の理由がわからず首を傾げた。
すると、気づいたレイバンがこそっと耳元で囁く。
「つかみどころのない奴って意味だ」
「ああ…なるほどです」
ようするに「セルーデン島出身のつかみどころのない奴」という意味だ。
「我らが船長にもあるぜ。確か…俺様船長とか、鬼畜ダリウスとか」