海賊王子ヒースコート(1)
「そ、そうなのですか…?」
イマイチぴんときていないアイリーンだったが、無理矢理納得しておいた。
いつかわかる日が来るだろうか。
「それより、船長。本気ですか?」
「ああ。今夜やる」
ヒースコートの質問にハッキリと答えてみせるダリウス。
海賊王子はやれやれと溜息をついた。
「ロディに言っておかなきゃな」
船内へ向かおうと階段を下りるヒースコート。
そんな彼を小走りで追いかけ、アイリーンは問い掛けた。
「船長さんと何をするのですか?」
「飲み比べだ。酒の」
「お酒…」
「ま、メインは飲んだ後のナイフ投げだろうがな」
ナイフ投げと聞いてアイリーンは眉を曇らせた。
「危険ではないですか?」