海賊王子ヒースコート(1)
「……俺が…そうだ」
「え…?」
「俺が、君に約束した。迎えに行くと」
「っ!?」
優しいキスの後に、瞳を真っ直ぐ見つめられながらの告白。
彼のサラサラした金髪が潮風に揺れた。
「ヒースコートさんが…あの時の、男の子…?」
「ああ」
「本当に本当に、ヒースコートさんが…!?」
信じられないと言うように何度も聞き返すアイリーン。
そんな彼女の肩にヒースコートは両手を置いた。
「落ち着け。それから、ヒースでいい。昔はそう呼んでいた」
「ヒースさん…ずっと、信じて待ってたんです。私……愚かですよね。どうぞ、笑って下さい」
急に俯いたアイリーンの顎に手をかけ、そっと顔を上げさせる。
「なぜ…笑う必要がある?」
「え……だって、あんな子供の頃の約束…本気にして…」
「俺は本気だった。その思いは今も…この瞬間も変わらない」
言うと、ヒースコートはその場にひざまずいた。
アイリーンの右手を取り、軽く口づける。
「あのような形で迎えに行ったこと、お許し頂けますか?レディー」