海賊王子ヒースコート(1)
ヒースコートも甲板に登場すると敵海賊達はさらに悲鳴を上げた。
「ヒースコート!?あの海賊王子か!?」
「言うこときかねー捕虜を問答無用で撃ち殺すっていう…血も涙もねぇ暴君王子!」
言い終わった瞬間、パーンッと拳銃の発射音が響いた。
その海賊の頬に血の筋ができる。
撃ったのはもちろん、我らが砲術長。
「ああ、貴様の言う通り。俺は冷酷非道な海賊王子だ。しかも今は叩き起こされたばかりで機嫌が悪い。脳天に弾ぶち込まれたくなかったら大人しく縛られろ」
この言葉が効いたのか、海賊達は皆一様にガクリと膝をついたのだった。