海賊王子ヒースコート(1)
「シツレイな人!」
アイリーンと手遊びをしていた少女だ。
綺麗な銀髪をツインテールにした彼女は、愛らしく頬を膨らませた。
「ギルおじちゃまも同じようなこと言ってたわ。子供の言うことはシリメツレツだから頭がイタいーって。そんなことないもん!」
「え……?ギル、おじちゃま…?」
彼女の発した「ギルおじちゃま」という単語に反応したヒースコート。
「ギルってまさか……ギルバート・ロックウェルのことか!?」
「そうよ。ギルおじちゃまを知ってるの?」
これにはアイリーンも驚いた。
「おじ様、ということは…ギルバート様の御親戚!?」
「ギルおじちゃまはアタシのママの弟なの。目つきがとってもコワイのよ」
「では貴女は、ギルバート様のお姉様の…」
「うん!ローズマリーよ。アタシの名前!」