海賊王子ヒースコート(1)
中庭は色とりどりの花が咲き乱れており、とても可愛らしい雰囲気だ。
ミロ神父が手入れをしているのか、大きな薔薇のアーチもある。
「あの、どちらに?」
そのアーチを潜り先へ進むヒースコート。
アイリーンは自分がどこに向かっているのかわからず恐る恐る尋ねた。
「この奥に墓があるんだ」
「お墓?」
「一応、教会だからな。死者を葬る場所もある」
話していると前方に黒い門が見えてきた。
ダリウスがその手前で止まり、ゆっくりと門を開ける。
「船長、俺達もいいですか?」
「ああ?べつに構わねーぜ」
了承を得てヒースコートとアイリーンも門を通過。
その先は――。
「お、墓……」
ヒースコートが言った通り、そこには墓地があった。