海賊王子ヒースコート(1)
恥じらいながらも勇気を出して告げると、ヒースコートの頬がみるみる紅潮していった。
呆然とアイリーンを見つめたまま耳まで真っ赤になる。
微動だにしないヒースコート。
「ヒースさん…?」
どうしたのだろうと首を傾けるアイリーンに反応して、ヒースコートはやっと我に返った。
「っ!」
何も言えずに口元を手で隠し、アイリーンから視線をそらす。
(なんでこんなに可愛いんだっ!!)
まさかの「お嫁さんになりたい」発言。
この不意打ちにヒースコートはクラリときた。
ドキドキと音を立てる心臓がうるさい。
「ヒースさん、どうしたのですか?」
何もわかっていないアイリーンが顔を近づけた。
「は、離れてくれ!」
「えっ」
「今、俺を見るな…!」
下手したら、なけなしの理性が崩壊し、彼女に手を出してしまう。