海賊王子ヒースコート(1)

正面から走ってくる金髪の少女がギルバート達に呼びかけた。

「その子って、今の猫?」

リチャードが問うと、少女は大きく頷いた。

「はい…!手伝って下さいませんか!?お願いします!」

会話をしている間にも猫はどんどん逃げていく。

それを見て取ったギルバートは常時携帯している拳銃をすかさず握り、猫に向かって発砲した。

「なっ!?何を!!」

「ぎ、ギル!?それはヤバくない!?」

驚く二人を余所にギルバートは冷静な命令を下した。

「今だ。行け少佐」

「えっ!?あ、はい!!」

悲しいかな。

仕事の癖でギルバートの「行け少佐」の声がかかると身体が勝手に動き出す。

リチャードは発砲されて怖じけづいている猫を素早く捕まえた。


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