海賊王子ヒースコート(1)
第七話:下された判決


 海軍の本拠地なだけあってガルニカ港は他の港町とは様相が違う。

港には軍の船がビッシリと停泊している上、町のあちこちを海軍服の軍人が闊歩している。

眩しい程の白い軍服を横目にアイリーンは溜息をついた。


(どうしましょう…。ヒースさんはランバートさん達と合流しろとおっしゃいましたけど…)


現在、アイリーンは一人でガルニカのメインストリートを歩いていた。

ヴィンセントやギルバート達はヒースコートらを連れて海軍本部のある巨大な建物へ。

裁判もそこで行われるが、普段は軍人以外出入り禁止なため、アイリーンは外で待っていることにしたのだ。

過保護な兄も、ガルニカは治安がいいので妹の一人歩きを許可してくれた。

「ナンパには注意しなさい!」という兄の声を背中ごしに聞きながら広場へ向かう。


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