海賊王子ヒースコート(1)




 パーティー会場への入場許可は六時から。

正面突破組であるレイバンとヒースコートは、その時間に合わせてミルフォード家の屋敷の前までやって来た。


「おい、ヒースコート。オレ達、招待状なんて持ってねぇよな?」

「ああ」


なんと、玄関口に立っている使用人に招待状を提示しないと入れないようだ。


「だが、こんなこともあろうかと…偽物なら用意してきた」

「マジか!?」


抜け目のないヒースコートにレイバンは拍手を送りたい気分になった。


「なら問題ねぇな。行こうぜ」


正装のために着た黒いタキシードのシワを伸ばしながらレイバンが動いた。


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