海賊王子ヒースコート(1)
「こんばんは。失礼ですが、招待状を拝見させていただいても宜しいですか」
待ち構えていた使用人が、会釈をしてから事務的に話し掛けてきた。
「どうぞ」
レイバンが偽物を手渡す。
笑顔で堂々と渡した彼だったが、内心はかなりヒヤヒヤものだった。
(バレねぇことを祈るぜ…!)
内容を確認していた使用人が、ふと眉をしかめた。
「こ、これは…!」
(やべ!!バレたのか!?)
レイバンが逃げるポーズをとった時だった。
「これはこれは、エルヴィス王子様!ようこそおいで下さいました!!」
「………へ?」
使用人の言葉が理解できず、一瞬固まってしまったレイバン。