海賊王子ヒースコート(1)
「テメーら、もう酔っ払ってんじゃねーかぁ?うるせーぞっ!」
下っ端から飛んでくる野次を楽しげに聞きながら、ダリウスは嫌味を放った。
「静粛に!!」
何かと騒がしくなる場を静め、ヴィンセントは嘆願者達を見据える。
「いい?ハッキリさせておくけど、この二人が死刑を免れるには四百人分の嘆願が必要よ」
「よ、四百人!?」
あまりの数字に思わずアイリーンは声を上げていた。
「テメー!処刑したいからってテキトー言ってんじゃねーぞ!!!!」
レイバンが吠えるも、裁判官ヴィンセントは落ち着いて切り返す。
「テキトーじゃないわ。さっきの追及で、四百人もの海兵を死亡させたってあったでしょ?その数を超える嘆願がなければダメよ」