海賊王子ヒースコート(1)

「テメーら、もう酔っ払ってんじゃねーかぁ?うるせーぞっ!」

下っ端から飛んでくる野次を楽しげに聞きながら、ダリウスは嫌味を放った。


「静粛に!!」


何かと騒がしくなる場を静め、ヴィンセントは嘆願者達を見据える。

「いい?ハッキリさせておくけど、この二人が死刑を免れるには四百人分の嘆願が必要よ」

「よ、四百人!?」

あまりの数字に思わずアイリーンは声を上げていた。

「テメー!処刑したいからってテキトー言ってんじゃねーぞ!!!!」

レイバンが吠えるも、裁判官ヴィンセントは落ち着いて切り返す。

「テキトーじゃないわ。さっきの追及で、四百人もの海兵を死亡させたってあったでしょ?その数を超える嘆願がなければダメよ」


< 346 / 376 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop