海賊王子ヒースコート(1)

「ロディが先に来ましたか」

「うわっ!てか、なんだ!?何人引き連れてきたんだ!?」

眼鏡を押し上げるランバートと嬉しい悲鳴を上げるレイバン。

ついさっきまで四人しかいなかった嘆願者席はあっという間にいっぱいになった。


「ロディ・ガスコイン、嘆願します!船長とヒースコートを釈放して下さい!!」

いの一番にロディが発言した。

それから次々と声が上がる。


「俺はフランク・ガスコインだ。クレマン海賊団にはタイタスの代から世話になってる。気のイイ奴らだよ。赦してやってくれ!」

「ロディの兄、グスタフ・ガスコインだ。弟が世話になってる。処刑はやめてくれ」

ロディの父や兄弟達、さらにリーダの町からわざわざやって来たクレマン海賊団と親しい人々が順番に嘆願を行った。

合計して三十五人が喋り終え、やっと法廷内が落ち着きを取り戻す。


< 348 / 376 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop