海賊王子ヒースコート(1)

「まだ来るって、どういうこと?」

疑問に思った全員を代表してヴィンセントが尋ねる。

「直にわかります。ああ、ほら。来ましたよ」

キャンディス達が入ってから開け放たれていた法廷の扉。

そこから、黒い大群が飛び込んできた。


「ジャ~マラ!!」

「ジャッ!ジャッ!!」

「ジャマラー!!」


独特な鳴き声を出す黒いカラス。

飛んで来たのは何十羽というジャマラガラスの群れだった。

彼らは巨大化しており、それぞれが足に紙袋を持っている。

部屋の中を旋回しつつ、カラス達は裁判官席にその紙袋を投下した。

「な、なに!?なんなのよ!」

「カラスが!!」

「もしかしてジャッキーか!?」

皆がバラバラな反応をする中、一羽のジャマラガラスがランバートの腕に止まった。

「ご苦労様です。ジャッキー」


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