海賊王子ヒースコート(1)

「決定的だね」

アーロンが口角を上げて呟く。

嘆願者、嘆願書、全て合わせて嘆願の声は五百八。

確かに決定的である。

「やった!!四百を超えた!!」

「マジかぁあ!!よっしゃぁあ!!」

歓声を上げるロディとレイバン。

ニコニコ微笑んでいるエリオットに、飛び跳ねて喜ぶキャンディス。

ファビウスは「良かったぁあ!兄上ぇえ!!!」と絶叫し、アイリーンはホッと胸を撫で下ろした。


「まさかオグランドにジャッキー送ってたとはな。さっすが腹黒眼鏡」

ニカッと笑うダリウスの横でヒースコートも笑みを零す。

「ジャッキーも仲間ですからね」

何十羽というカラス仲間を引き連れてまで頑張ってくれたジャッキーには何度感謝しても足りないだろう。

「へっ!どんなもんよ!これで船長達は無罪放免!釈放だぜ!」

レイバンが威勢よく軍人達に向き直る。

しかし――。


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