海賊王子ヒースコート(1)

「何言ってるのよ。誰が無罪放免にするなんて言ったかしら?」

「はぁああ!?」

「四百を超えたら“死刑は”免れるって言ったのよ。誰も無罪放免にするなんて約束してないわ」

平然と言ってのけるヴィンセントに嘆願者席の人々は声を荒げた。

「きったねぇぞ!!」

「解放しやがれ!!」

「じゃあ船長達はどうなるんだよ!?」


「ほんっと、いちいち騒がしいわね!静粛に!!」


うるさい抗議の声を怒鳴って静める裁判官。

法廷内が落ち着いてから彼はギルバートに質問した。

「追及者に聞くわ。ギルバート。この場合、貴方はどんな処置が適当だと思う?」

「………処刑はせずに、拘束しておくのが妥当かと」

「拘束!?」

クレマン海賊団のメンバーが目を見開く。

死は回避できたが自由は奪われてしまうのか。


< 356 / 376 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop