海賊王子ヒースコート(1)
「拘束と言っても肉体的な意味ではありません。彼らには……海兵四百人分の働きをしてもらうのがよろしいでしょう」
ギルバートはダリウス達を鋭い視線で刺した。
「駒は有効活用しなければ」
「野郎っ!」
ダリウスとギルバートが睨み合う。
「そうね…確かに。いい案かもしれないわ」
周りに寄ってくるカラス達を追い払いながらヴィンセントが「ふむ」と頷いた。
「ただ牢にぶち込んでおくよりも、使い道があるなら使わなきゃね」
「なんだよそれ!海軍の犬になれってか!?」
吠えるレイバンにヴィンセントは思案しながら答えた。
「一時的によ。ミッションをクリアしたら特別に釈放してあげるわ。ギルバート!今問題になってる事件て、何だったかしら?」