海賊王子ヒースコート(1)

「話がまとまったところ悪いけど、あんた達だけじゃ信用ならないのよね。途中でお役目放棄するかもしれないし。だ、か、ら!ギルバート・ロックウェル大佐!」

不意に呼ばれ、ギルバートは少々面食らった。

「貴方も一緒に海賊船…じゃなかった、私拿捕船に乗りなさい。見張りとしてついて行くのよ!」

「私が…ですか?」

「そう!命令違反した奴は容赦なく殺っちゃってちょうだい」

「はっ!承知しました」

躊躇いを見せていたギルバートだったが「命令違反は殺してもいい」と許可されアッサリ承諾。

ダリウスを真正面から見据え、彼は冷笑した。

「ということだ。死にたくなければ我が軍のために働け」

「な、ななっ…!!!!」

声にもならない。

唖然としてギルバートを見返す。


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