海賊王子ヒースコート(1)

「はう~!カッコイイです!ヴィンセント様、さすがですわ。キリリとすると中身があれでも赦してしまいます!」

エヴァンジェリナが夫をベタ褒めする傍ら、不安を拭いきれない表情でアイリーンは兄を見送った。


(ギルバート様…お兄様…)


人々の喧騒の他、銃や剣の音が広間に鳴り響く。


そのような中でギルバートはクレマン海賊団のボスと対峙していた。


「やはり来たか。死にぞこないの猿め」

「へっ、御託はいいから…始めようぜ?海軍様よぉ!?」


ダリウスの剣がギルバート目掛けて迫る。

死の刃を間一髪で避けながら、ギルバートは銃を構えた。


「死ね」

悪魔も逃げ出すという紫の瞳でダリウスの頭を狙い、続けざまに撃ちまくる。


< 47 / 376 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop