海賊王子ヒースコート(1)

「げっ…」

レイバンは顔を青くしながらフルスピードで逃げ出した。


「あ!お待ちになって!レイバン!!」


小走りに窓へと駆け寄るが、すでにレイバンの背中は小さい。


「アイリーン嬢っ!」

ギルバートもやって来て、窓から外の夕闇へ叫んだ。


「アイリーン嬢!!」


婚約者の名前を何度も繰り返しながら窓から飛び出し、ギルバートは海軍の敵を追いかけた。









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