海賊王子ヒースコート(1)
走る船長と子分達。
その後方からは軍服を着た兵がわんさか追いかけてきている。
「海軍!?どうすんだ!?船出す準備した方がいいのか!?」
どうしよう!どうしよう!と慌てふためくロディに、キャンディスが男らしく活を入れた。
「慌てんじゃないわよ!アンタはダリウスが来たらすぐ動けるように、居残り連中を甲板に集めなさい!」
「わ、わかった!」
バタバタと船内に消えるロディ。
キャンディスはもう一度、周りの状況を双眼鏡で確認した。
(十…二十…くらいか。叩きのめすには丁度いい数だけど、ダリウスが真っ直ぐこっちに向かってるってことは…船出して逃げきる計画かな?)