荒れ球リリーバー
「質問変えようか」

須永先生は、有る物を目の前に掲げて言った。

「あいつのせいで、泣いたの?」

《荒れ球リリーバー!人気女子アナと真剣交際!!》

見覚えのあるその見出しは、私が今朝見た新聞だった。

「須永先生に関係ありません…」

動揺して震える声で言い返す事が精一杯だった私に、須永先生は真剣な顔して告げた。

「青枝先生の事好きだから、関係あるよ」

「え?」

突然の告白に面食らう私に、彼は苦笑いして確認する。

「前に付き合おうって言ったよね?」

確かに言ってたけど…。

「あれは、草食系男子の気紛れですよね?」

私の思考回路は大混乱中なわけで、気付けば思った事をウッカリそのまま口にしてた。

「そんな風に思われてたんだ」

須永先生は、更に苦笑いする。
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