荒れ球リリーバー
「俺は、好きな子限定で肉食系だよ」

この人、涼しい顔してサラッと凄い事言っちゃたよ。

「だから、遠慮しない」

須永先生は、高らかに宣言する。

「青枝先生を絶対振り向かせる」

その顔は、自信に満ち溢れてた。

須永先生は、俗に言うイケメンだと思う。

普通の女なら、イケメンの告白は嬉しい筈だ。

だけど、私は違う。

直球な物言い。自信満々な態度。

須永先生は、誠一郎に少し似てる気がする。

セイを連想させる須永先生の告白は、心に苦い痛みを与えた。



翌日。

私は、相変わらず暗い気分。

「青枝先生。今晩、食事に行きませんか?」

有言実行主義の須永先生は、朝から食事に誘って来た。

「えっと…あの…」

上手く断るエネルギーゼロ。

返答に困って言葉に詰まる。
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