荒れ球リリーバー
「青枝先生」

呆然と立ち尽くす私は、須永先生に声を掛けられて我に帰った。

私の視線を追ったらしい彼もテレビを見ていた。

「高岡から何か聞いてないの?」

「セイは、遠征中で連絡ありません…」

まだボーッとする頭で、須永先生の質問に答えた。

「やっぱりセイって高岡の事なんだ」

「あっ…」

須永先生に、セイの事完璧に知られた。

けど、そんな事もうどうでも良い。

「青枝先生。俺で良かったら、話聞くよ。
だから、今夜会ってよ」

私は今、相当弱ってる。

「須永先生…私、行きます…」

だから、須永先生の誘いに頷いた。
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