荒れ球リリーバー
それから、どんな風に過ごしたかあまり覚えてない。
取り合えず授業は何とか無事に終えてたけど
、上の空で教壇に立つとは講師失格だ。
終業後、須永先生お薦めのお洒落なバーにやって来た。
こういう場所に、男の人と二人きりで来るのは初めてだ。
高身長で在京球団のスター選手の誠一郎は、当然目立つから行ける場所も限られる。
行き着けは、以前セイからユリのサイン本を渡された熱狂的野球ファンのおじさんが営む居酒屋だ。
あの店は、店主も客も口が硬い。
マスコミノーマークな店の為、撮られる心配が無い安心出来る店だ。
って、またセイの事ばかり考えてる。
須永先生に失礼だ。
セイの事を考えるの辞めよう。
決意して、須永先生の隣に座った。