荒れ球リリーバー
相変わらず困った顔して、須永先生はウィスキーを飲む。

私は、ふと思った疑問を口にした。

「須永先生は、どうして私の事好きなんですか?」

素直じゃない。可愛いげのない。自信のない。

無い物尽くしの私を好きになる理由なんて、全然思い当たらない。

「まぁ単純に顔がタイプかな」

「本当に単純ですね」

彼の答えに、思わず冷たく突っ込んだ。

「でも、それだけじゃないよ」

真剣な表情で、須永先生は話す。

「前に生徒の進路相談に乗ってた時、あったろ?」

私は、記憶を掘り起こす。

二年程前。

管理栄養士を目指す学生の相談に乗った事があった。

「その時、親身になってる青枝先生見て好きになった」
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