荒れ球リリーバー
女子生徒は、私を見て管理栄養士に興味を持ってくれた。

それがとても嬉しくて自分なりに精一杯彼女の力になった。

専門学校卒業後、彼女は大学に入り管理栄養士の夢を叶える為、頑張ってる。

私は、講師として当然の事をした迄だ。

だけど、その行為を認めてもらえた事は素直に嬉しい。

「ありがとうございます」

だから、自然と出た笑顔でお礼を言った。

「俺の事。好きになれない?」

「え?」

「青枝先生の事。俺なら、絶対泣かせないよ」

須永先生は熱い視線を向けた。

テーブルに置かれた私の手を握り締めて来る。

やっぱり、私は相当弱ってる。

だから、次の一言にかなり揺れた。

「高岡の事。忘れさせるよ」

私、セイの事、忘れたい。
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