荒れ球リリーバー
誠一郎に浮気された夜に涙は全部出し切ったと思ったのに、再び流れ出したら止まる事を知らない。

「やっぱり…無理だよ…」

ボールを両手で握り締める。

涙でぼやけた視界の中、弱々しい声で呟いた。

投球も女癖も荒れてる嘘つきな男。

それでも、好きなの。

「出来ないよ…」

誠一郎との思い出。
誠一郎自身の事。
誠一郎への想い。

忘れられない。

何もかも全て、簡単には捨てられない。




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