荒れ球リリーバー
ゆうべ流した涙は、物語った。

誠一郎が好き。

だから須永先生の告白はハッキリ断るべきだと、私は決心して学校へ向かう。

「おはよう」

須永先生への断り方を考える朝の通勤路。

突然肩を軽く叩かれて、背後から声を掛けられた。

「きゃっ!」

「ごめん。ビックリさせた?」

驚いて思わず小さな悲鳴を上げる私に苦笑いして謝るのは、今まさに私の頭を悩ます須永先生その人だった。

「すみません…」と謝り返す私に、彼は突然あ手を握り指を絡めて来た。

「須永先生!?」

不意討ちの行動に驚き、彼を見る。

「今日、職員会議だよ。急ごう」と照れた顔して須永先生は、私の手を優しく引いた。
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