荒れ球リリーバー
「志乃」
背後から突然聞こえる低い声に、一瞬にして酔いが醒めた感覚を覚える。
「セイ?」
振り返った先に立つ忘れる事の出来ない男に、私は震える声で問い掛けた。
「どうして…いるの…」
「志乃に会いに来た」と言ってから、誠一郎は付け足した。
「話がある」
私も同じだよ。
会いたかった。
話したかった。
思った事をそのまま言えたら、どれだけ楽だろう。
だけど、やっぱり今日も私は素直じゃない。
「私は、会いたくないし、話したくない」
正反対の言葉が紡がれるけど、その唇は意志に関係なく話し出したら止まる事を知らない。
背後から突然聞こえる低い声に、一瞬にして酔いが醒めた感覚を覚える。
「セイ?」
振り返った先に立つ忘れる事の出来ない男に、私は震える声で問い掛けた。
「どうして…いるの…」
「志乃に会いに来た」と言ってから、誠一郎は付け足した。
「話がある」
私も同じだよ。
会いたかった。
話したかった。
思った事をそのまま言えたら、どれだけ楽だろう。
だけど、やっぱり今日も私は素直じゃない。
「私は、会いたくないし、話したくない」
正反対の言葉が紡がれるけど、その唇は意志に関係なく話し出したら止まる事を知らない。