荒れ球リリーバー
「いちゃついてなんかないよ」

「高岡さんは、どうしたんですか!?」

華子ちゃんの言葉に思い浮かぶのは、誠一郎の悲しげな表情。

「セイとは終わったの…」と言う事実を述べると、華子ちゃんは戸惑う。

「何が…あったんですか…」

華子ちゃんの少し震える声が、静かな廊下にやけに響き渡る。

「別に何もないよ。授業の準備があるから行くね」

「志乃さん!」

正直に話す気分になんかなれない私は、華子ちゃんの声も無視して 職員室へ逃げるように戻った。





定時を迎えた職員室。

「青枝先生行こうか?」

須永先生に声を掛られ頷いて席を立つ私へ、華子ちゃんの容赦ない視線が突き刺さるけど気付いてないふりして職員室を後にした。
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