荒れ球リリーバー
《荒れ球リリーバー!二度目の熱愛発覚!!お相手は、人気モデル!!》
「二度目じゃなくて、三度目だっつーの……」
通勤途中に立ち寄った馴染みのコンビニ。
週刊誌表紙一面にでかでかと書かれた下世話な文字を睨み付けながら、呟いた。
お気に入りの抹茶ラテと共に下世話で忌々しいはずの週刊誌を手にして、レジへ向かう。
素早く会計を済ませ、コンビニを後にした。
コツコツとヒールの音を鳴らしながら、勤務先である専門学校への道を歩く。
青枝 志乃(あおえ しの)28歳。
調理師及び製菓衛生師を養成する専門学校に勤務している管理栄養士だ。
学校到着後、白衣を羽織り職員室の自分のデスクにて、担当教科である栄養学の授業の準備をしつつ、先程コンビニで購入した週刊誌に目を通していると。
「今日も荒れてますね~。志乃さん」
背後から聞こえる楽しげな声に振り返ってみれば、声色以上に楽しげな表情を浮かべた後輩。
真っ白なコックコートを羽織る羽山華子(はやま かこ)の姿があった。