荒れ球リリーバー
夕食を終えると、セイは遠征中に買って来たと言うお土産達私に渡し始めた。
「志乃。抹茶好きだろ?」
そう言われ差し出されたのは、鹿と紅葉の模様が印刷されてる青い包装紙で包まれたお菓子の箱。
生もみじ饅頭と言う商品名が真ん中に書かれた箱を開く。
こし餡、つぶ餡、抹茶。
三つの味の饅頭が並ぶ。
「へぇ~。生もみじ饅頭なんてのがあるんだ」
「志乃がいかにも好きそうだから、買って来た」
可愛げのない私は、素っ気なく「ありがと」とお礼を言う。
目新しいお菓子と抹茶風味が大好き。
セイの事は、もっともっと大好き。
人知れず、セイへの想いを心の中で呟いた。