荒れ球リリーバー
「志乃…。俺、限界…」

苦しげな声と切なげな瞳に、私は荒い息のまま頷いた。

「あぁっ」

私の身体に浸入し貫く熱い塊に、悲鳴に近い甲高い声が口を突く。

「んっ…はっ…」

「ヤバイッ…めちゃくちゃ気持ち良いっ…」

快感で顔を歪め眉を潜める誠一郎の姿に、恍惚感を覚え身体の最奥が疼くのを感じる。

もっとして欲しい。

欲情が、顔に出ていたみたい。

「もっとする?」と誠一郎が問い掛ける。

首を縦に振りたいけど、素直じゃない可愛げの無い私が許さない。

瞳に涙を溜めながらも、当然首を横に振る。

「素直じゃねぇなぁ…」

呆れたように呟く誠一郎だけど、次の瞬間には笑顔を見せ耳元で囁いた。

「そんな所も可愛くて、すっげぇ好き…」

それ。反則でしょ。

セイの事。ますます欲しくなるじゃない。
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