荒れ球リリーバー
「この女子アナ。男受け抜群で、超人気らしいですよ」

華子ちゃんは、新たなネタを投下して来た。

綺麗に巻かれた艶のある髪。

長い睫毛のアーモンドアイ。

グロスで光る小さな唇。

確かに男受け良さそう。

女子アナと話すセイの顔も、心なしか締まりが無い気がする。

「ふ~ん」

私は興味無さげに返事するが、華子ちゃんは目敏い。

「志乃さん。シワ寄ってますよ?」

笑って私の眉間を指差し、隠し切れない嫉妬心を見抜いて来た。



「プレイボール!」

ピッチャーを指差す球審のコールで、試合が開始する。

今日は、投手戦。

両チームの投手が、共に相手打者を抑え込んでいる緊迫した良い試合だ。

だが、隣に座る後輩には、若干眠気を覚えるゲームのようだ。
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