荒れ球リリーバー
「高岡さん。調子良かったですね」

笑顔で話す華子ちゃん。

「志乃さん効果かな~」と茶化して来る。

「何それ?」

笑い飛ばした私だけど、華子ちゃんの言葉が少し嬉しかったのは内緒だ。



七回表終了後。

球団応援歌演奏後、オレンジ色のジェット風船を飛ばす。

ラッキーセブンデイ恒例イベント。

天井に向かって勢い良く飛ぶ風船。

一塁側ベンチを見ると、アイシングを施した誠一郎が視界に入った。

風船が舞う光景を楽しげにチームメイトと見てる。

子供みたいな笑顔。

アイシングポンチョの隙間から覗く鎖骨。

全部大好き。

でも、セイの事を大好きなのは私だけじゃない。

「やっぱり誠一郎カッコいいよね~」

「彼女いるのかな?」

聞こえて来たファンの声。
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