荒れ球リリーバー
すると、来た時にはホロ酔い気味の為か気付かなかった華奢なヒールのパンプスが視界に入る。

やっぱり、慣れないお酒は飲む物じゃない。

私は、走って部屋を出た。

「志乃!」

マンションの外に出た私は、腕を掴まれた。

Tシャツにジーンズ姿の誠一郎は、息を切らし髪はまだ濡れている。

今夜は、少し肌寒い。肩、冷やさないかな。

こんな状況でも、奴を心配する私は重症だ。

「誤解だから」

「あいつとは、何もない」

「俺の事。信じて」

矢継ぎ早に飛ぶ聞き飽きた台詞達。
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