荒れ球リリーバー
泣きに泣いた夜が、明けた。
目覚めの悪い朝。泣き腫らした真っ赤な瞼の顔が、鏡に映る。
「学校…行きたくないな…」
不登校児のような独り言を呟いたけど、休めない事ぐらいわかっているから、結局いつものように出勤する。
途中、コンビニに入って抹茶ラテを手に取った。
会計をする時。レジ左手前に並んだ新聞が、視界に入る。
その途端。
チャリンッッ
手を滑らせ小銭を落とした。
「あっ…ごめんなさいっ…」
慌てて小銭を拾い集める。
《荒れ球リリーバー!人気女子アナと真剣交際!!》
新聞に書かれた文字達。
小銭を拾う私の指先は、少し震えてた。