TABOO Ⅵ~求める指先~
「どっちがいい?」
そう聞かれ、「え…?」と首を傾げたあたしは、その5分後保健室のソファに座らされていた。
ジャージを捲り上げられ生足を晒してるわけだけど、あの状況に比べたら全然いいって思える。
“お姫様抱っことおんぶ”
そんな究極の選択を全力で拒否するあたしを溜息とともに抱き上げ、部活中の生徒達に思いっ切りひやかされながら運ばれてきたのはついさっきのことだ。
「捻挫だと思うけど、ちゃんと病院行けよ」
慣れた手つきで足首に包帯を巻いてくれる冷たい指が気持ちよくて。
もっと触れていて欲しい…
包帯の端が結ばれた時、そう思った。