TABOO Ⅵ~求める指先~


だけど急いでそんな気持ちをかき消す。


「ありがと、もう大丈夫だから」


「……」


冷たい手はまだあたしの足を包んでいて、唇が何かを言い掛けた時。


ドアが開き、顔を強張らせた彼が慌ただしく入って来た。


さっと手を引き部屋を出て行こうとする背中に「ありがとう」ともう1度言ったけれど…


返事は返ってこなかった。


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