【短編】翼をもつ君へ
20時頃に君が電話で『着いた!』って言ったから、あたしはすぐに部屋を出た
あたしがエントランスから外を見ると、マンションの前に車を止めて、君が立っていた。
いつもは近所のパーキングに車を止めて逢いに来てくれるけど、その日は本当に時間がないのにあたしに逢いに来てくれたのがすごくわかった。
だからあたしは
『ありがとう。仕事中やのに逢いに来てくれて。でもめっちゃ嬉しい』って君に言った。
そしたら今度は君が
『渡したい物があってん』
って言ってパンツのポケットからグーにした手を出して
『手出して』
って言ったからあたしは言われるまま手を差し出した。
そしてあたしの掌に君の手が重なって、渡されたもの…
シルバーのネックレストップ。
それはまるで輝く太陽に向かって翼を広げているようなデザインだった。
あたしがエントランスから外を見ると、マンションの前に車を止めて、君が立っていた。
いつもは近所のパーキングに車を止めて逢いに来てくれるけど、その日は本当に時間がないのにあたしに逢いに来てくれたのがすごくわかった。
だからあたしは
『ありがとう。仕事中やのに逢いに来てくれて。でもめっちゃ嬉しい』って君に言った。
そしたら今度は君が
『渡したい物があってん』
って言ってパンツのポケットからグーにした手を出して
『手出して』
って言ったからあたしは言われるまま手を差し出した。
そしてあたしの掌に君の手が重なって、渡されたもの…
シルバーのネックレストップ。
それはまるで輝く太陽に向かって翼を広げているようなデザインだった。