始めの一歩。




――…今日は、約束していたカラオケの日だった。集合時間は10時。


今の時刻は、その5分前。


ちなみに日曜日なので、私も友達も私服姿。



『彼、早く来ないかなぁ……』



彼の私服見たさにカラオケ参加を決定した私としては、早く会いたくてたまらない。


……すると、今まで息巻いていた友達が



「お、来た来た♪



そう言って、遠くの一点を指で差した。……見えない。



「み、見えないよ?」


「え?あーごめん、私の視力Aなんだわ」


「同レベルの視力を期待しないでよ……」私の視力はCだもん。



そんな風に話しながら、一生懸命目をこらす。


確かに彼…と、同じクラスの男子っぽい、かな?


なんて思いながら見つめていると、



「………はぅあっ」




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