始めの一歩。
ずきゅん、と。
自分の心臓が打ち抜かれる音を聞いたような、気がした。
何故なら、
「……よぉ」
私と友達の前で立ち止まり、ぶっきらぼうにそう言う彼が格好よすぎて……!!
ついついぽーっとなってしまった。
もちろん、一緒に二人ほど同じクラスの男子もいるんだけど、…格好よさが全然違う。
少なくとも、私にとっては。
……そんな私を見た友達は、
「ぃよーし、カラオケ行くかぁ!!……あんた気をつけなよ、変な人がついて来たら大変だからね!!」
私の背中を軽く叩くと、そう声を上げて歩き出した。