始めの一歩。
「ふぅん……」
その言葉に頷きつつも、頭を傾げる彼を見て
『あ、怪しまれてるっ!?』
と焦る私。
だけど、焦れば焦るほど言葉は喉につっかえて出てこない。
そして――…
「……なぁ」
「は、はいっ!?」
「あのさ。また、そのストーカーに狙われたら怖いだろうし。
……っつうか、お前がまた怖い目に合うとか嫌だし」
「へ?ごめん、聞こえなかっ、」
「聞こえなくていい。
っつーか……あーもー、まどろっこしい!!」
「え……えっと?」
「だから、つまり……」